About Yukis
クリスマスクッキーがきっかけに

私がプラリネ作りを始めたのは、ある二人のスイス人の意外な趣味がきっかけでした。一人は同じ会社の髭を蓄えた技術屋おじさん、もう一人は身長2メーター近くある大男の義兄です。二人ともクッキー作りが得意で、クリスマスになると何種類も作っていました。私もこの手で何か作ってみたい!と強く思いました。そこで2006年のクリスマスにクッキーを焼き、プラリネも試作してみました。プラリネの方が評判が良かったので、それ以来プラリネ一筋です。
プロの技に学ぶ

当初は少ない情報を頼りに自己流でプラリネを作りました。バリエーションを増やしたかったので、本格的に製法を習いたいと思い始めました。クベルチュールチョコレートの老舗が主催する、プロ向けの講習会がありました。素人でも参加できるか問い合わせたところ、初級のテンパリングコースを受けるよう勧められました。そこで基本を学んだ後は、中級コースでチューリッヒの老舗チョコレート店の職人から、様々なプラリネの作り方を学びました。そして最後には上級コースで、プロの菓子職人と共に創作プラリネを作りました。その時の講師からのアドバイスも貴重でしたが、講習を受けていた職人たちの器用な手作業やコツを目の当たりにできたことは、その後のプラリネ作りに大いに役立ちました。
スイスチョコレートと和のマリアージュ

日本人の私にとって、チョコレートに和の風味を合わせることほど楽しいことはありません。ところが、繊細な和の素材がチョコレートに負けてしまうことが多々あります。日本酒や桜を使ったプラリネは、出来立ては口の中でほのかな香りがふわっと広がります。ところがこの風味は長続きせず、一週間も経つとほとんど消えてしまいます。この難題を克服するため、試行錯誤の繰り返しです。他には柚子、胡麻、ほうじ茶、甘酒のプラリネも作りました。これからも新たな和の素材を取り入れていきたいです。